大腸 CT検査 とは

大腸CT検査は内視鏡を用いることなく、炭酸ガスで膨らませた大腸をCT装置で撮影し、
コンピ ューター処理によって作成した三次元画像をもとに大腸を調べる検査です。
内視鏡を挿入する検査と比較して苦痛も少なく、大腸穿孔のリスクは極めて低い検査です。

検査方法

大腸をきれいにするために下剤、腸管洗浄液、少量の造影剤等の前処置を行います。
腸管洗浄後、腸の動きを止める薬を注射し、肛門にチューブを挿入します。
そのチューブから炭酸ガスをゆっくり注入して、大腸を膨らませてCT撮影をします。
CT撮影は、うつ伏せと仰向けの2回行います。

画像を確認後、チューブを抜いて検査は終了となります。
検査に要する時間は30分程度で、炭酸ガスを使用するので大腸のガスは速やかに吸収されます。

よくある質問

A:大腸ポリープや大腸がんなどの病気がわかります。

A:内視鏡検査と異なり、便を完全に出す必要はありません。
前処置のお薬をきちんと飲んでいただければ、大腸CT検査で診断することが可能です。
A:お薬をきちんと飲んでいただかないと、正確な検査がで きなくなります。
この場合、便がポリープのように見えてしまうため(偽陽性と言います)精度が下がります。

A:お尻から細いチューブを入れて検査をしますが、ゼリーを十分につけて痛みを感じないよう工夫しています。
※ただし、直腸脱や重度の内痔核をお持ちの場合は検査が難しい場合があります。肛門に自覚症状がある方は、事前に医師にご相談ください。

A:大腸CT検査では、鎮静剤や鎮痛剤を使用いたしません。 そのため、すぐに日常生活にもどることが可能です。
ただし、検査当日は運動や肉体労働など、お体に負担に なることはさけてください。

大腸癌の死亡率

近年、がんの中でも「大腸がん」で亡くなる人が増え続け、 2016年の調査では、女性のがん死亡原因第1位、男性のがん死亡原因第3位になって います。しかし、大腸がんは早期発見・早期治療を行えば100%近く治ります。

大腸CT検査とは

新型のマルチスライスCTを利用した新しい大腸の検査法です。
大腸内視鏡検査のように内視鏡を入れたり、注腸X線検査のように肛門からバリウムを注入したりせずに、あたかも大腸を内視鏡で観察したり、X線写真を撮ったかのように調べるこ とができます。
大腸CT検査は、高精度で、しかも大腸内視鏡検査や注腸X線検査と比べると、楽に短時間で検査をすることができます。

大腸CTの画像

▼マルチスライスCT装置でえられた画像 データ(図1)から、仮想大腸内視鏡像 (図2)や注腸類似像(図3)を作成し、大腸の3次元診断を行います。

大腸CT検査の実際

  1. 検査前日または当日にお薬(下剤や造影剤など)を飲んで腸の中をきれいにします。
  2. 検査着に着替えて検査室(CT室)に入り、検査台に横になります。
  3. 細いチューブを肛門から数cm入れ、炭酸ガスあるいは空気を注入して大腸を膨らませます。
  4. CT撮影をします。うつ伏せとあお向けで、それぞれ約10秒間撮影を行います。
  5. チューブを抜き、検査終了です。
  6. 撮影した画像をもとに仮想大腸内視鏡像・注腸類似像などを作成し診断します。

大腸CT検査の長所

他の大腸検査に比べてお腹にやさしい検査です。
内視鏡では観察しづらい、大腸のひだや曲がり角の裏などの観察に優れています。
検査が短時間で終わります。(検査室に入ってから10~15分程度)
下剤や腸管洗浄剤の服用量を減らすことができます。
鎮静剤や鎮痛剤の注射をする必要がありません。
大腸に穴が開くなどの偶発症(事故)が極めてまれです。
ポリープの大きさや位置が正確にわかります。
腸がゆ着している方や腸が長い方でも検査が可能です。

大腸CT検査の短所

5ミリ以下のポリープや平らな病変を見つける能力は内視鏡検査に比べて劣っています。
細胞の検査やポリープの切除などの治療はできません。(治療のために内視鏡検査をお受けいただく必要があります)
最低限の医療X線被ばくがあります。